七面山登詣③
早朝5時20分。
セットしたアラームの音よりも少し早く目が覚めました。
気温は零度。
寒さに縮こまる体に鞭打ちながら、手早く身支度を済ませご来光遥拝所へ向かいました。
遥拝所に着くと昨夜の佐藤執事さんのお話の通り、頭上には雲ひとつない晴天が広がっていました。
「これはいいご来光が拝めるな」
と心の中で楽しみにしながら、他の参籠のみなさんと一緒に団扇太鼓の音に合わせてお題目を唱えてご来光を待ちました。
言葉はいらないでしょう。
ただただありがたく拝させていただき、続いて朝のお勤めに参加しました。
お勤めが終わるとすぐに朝食をいただきました。
朝食もシンプルな精進料理。
しかし、1900mを超える山の上でいただく食事ですから、温かいご飯とお味噌汁があるだけでも大変なご馳走ですよね。
食事を終えると帰り支度をして、下山の準備です。
本社前で集合写真を撮って下山スタートです。
私の顔が朝日の光でとんでしまってます笑
また団扇太鼓の音に合わせて一歩一歩来た道を戻っていきました。
下りは登りよりも足にくる。
まさに、その通りで笑いそうになる膝をかばいながら皆さんなんとか麓まで到着しました。
全員怪我もなく登詣できたのは、七面大明神のご加護だなと皆さんとお互いの労をねぎらいながら話しました。
七面山は「登って降りる」山ではない。「降りて登ってくる」山なんだ。
と聞きました。
「登って降りて良かった満足」ではなく、「七面大明神の前で誓いを立て、降りてからその誓いを達成すべく努力をして、また登ってくる山」なんだと。
今回、天気にも恵まれてご来光を遥拝することも叶い、参加者に怪我もなく行程を終えることができたのは主催者の一人として大変にありがたいことで、ホッとしたところでした。
参加した皆さんが、次に登るまでの自分の行動がどう変わったかを実感できるような経験になってくれれば幸いです。
私は、しばらく筋肉痛で痛む足をかばいながらの生活が続きそうです…。